自然と共に生きる日本人が、古来から最も大切にしてきた植物を知っていますか?

おおあささまの国、にっぽん! -クール・ジャパン-

おおあささまの国、にっぽん!

日本人の心の中にある大麻

麻畑

日本において大麻は、古来から生活必需品をつくるための重要な素材であり、文化的、伝統的、民族的に日本人の生活に密接に関係してきた、なくてはならない貴重な植物でした。
「大麻」という呼び名は、「麻(アサ)」に「大いなる」という意味の尊敬語が付いて出来た呼び名です。「大麻」は「おおあさ」と読むこともあります。

大麻は稲作が始まる以前の縄文時代から栽培され、衣服や布、縄、紐、糸などの生活素材に使われてきました。
今でも大麻は、下駄の鼻緒、畳糸、凧糸、魚網、蚊帳、和紙、漆喰壁、茅葺屋根、麻炭、弓弦、お盆行事、神道行事、神社関連品、横綱の化粧回し、七味唐辛子など多岐にわたって使われており、日本の伝統文化を支えています。

また神道の世界では、大麻草はたいへん神聖な植物であり、「大幣(オオヌサ)」と呼ばれ、罪や穢れを祓うものでした。ところが今では、大麻の価値は所持、栽培したら罪になってしまうという全くの正反対になっているのです。

私たちの遺伝子には、太古からの大麻との思い出が確実に刻まれています。現在60歳以上の人ならば、大麻の畑で遊んだ思い出や麻の繊維をとる作業を手伝った記憶をもつ人たちもたくさんいるはずです。


日本人の暮らしに大麻は欠かせないものだった

今一度、日本の心を象徴する伝統作物として、大麻がどれだけ多岐にわたって日本の文化を象徴していたか、思い出してみましょう。

白川郷

「繊維の利用」
・結納品
・横綱の化粧回し
・神楽や能楽に使われる糸や布
・書道の紙や茶道具、各道着など
・弓弦、凧糸、かつおの釣り糸や漁網
・神社の注連縄、鈴縄、御幣や神官の衣
・能登上布、近江上布、奈良晒しなどの工芸品

「麻幹(オガラ)の利用」
・花火の炭
・漆喰壁のスサ
・お盆の迎え火
・茅葺きの屋根材(白川郷など)

「種子の利用」
・食用(七味唐辛子など)
・薬用(便秘薬や軟膏など)
・灯明油
・潤滑油

その他、一般的な暮らしのいたるところに、大麻は活用され、古来から国民の生活を支えてきたのです。
現代でも、七味唐辛子の中には大麻の実が入っていますし、大相撲で横綱だけが身につけられる化粧回しは大麻繊維で作られています。

「麻に交われば直くなる」といわれ、赤ちゃんが産まれたら、麻の葉模様の産着を着せる風習や、麻のように真っ直ぐ元気に成長してほしいという親心から、名前に麻の漢字が好んで使われていました。
冠婚葬祭などの行事にも、昔から大麻は欠かせませんでしたし、麻として親しまれてきた繊維作物でもありますから、地名にも麻の漢字が各地で使われていました。
現在、「大麻」または「麻」の字が付く市町村名は80カ所以上にものぼり、あらゆるところで重宝されてきた痕跡を残しています。

茅葺屋根

大麻



最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional