自然と共に生きる日本人が、古来から最も大切にしてきた植物を知っていますか?

大麻のオイルを燃料として走るヘンプカー、新潟で有用性アピール

メディア紹介

ヘンプカープロジェクトは、大麻の正しい知識の啓蒙と実証実験を兼ねて、大麻の油を燃料として全国各地で車を走行させるイベントです。
これまで各地で地元メディアの取材を受けています。
2013年8月15日に新潟・麻屋高野商店で開かれたそのイベントの様子が、上越タウンジャーナルに掲載されました。

麻の種の燃料で走るヘンプカー、上越で有用性アピール

上越ジャーナル

麻の実からとった植物油(ヘンプオイル)を燃料にし、東北地方を中心に9県を1か月かけて巡りながら、再生可能なエネルギーである麻をピーアールしている「ヘンプカー」が2013年8月14日、かつての麻糸商だった新潟県上越市東本町1の「麻屋高野」にやってきた。一行は、麻の有用性について説明した後、実際にヘンプオイルを使ってディーゼルエンジンを始動した。

2011年の東日本大震災を契機に始まったヘンプカーのプロジェクトは今年で3年目。8月8日に山梨県を出発して日本海沿いに北上し、青森から太平洋側で南下し、9月8日に福島県南相馬市に到着するスケジュール。本県には長野県から入り、上越市を手始めに十日町市、新潟市、新発田市の4市に立ち寄る予定だ。

山梨県から出発したキャンピングカー型のヘンプカーは、電気系統の故障で現在修理中。代わりに伴走していたジープ型のヘンプカーに乗り、一行4人が14日午後、上越市に到着した。

へンプカーの責任者、中山康直さんは「ディーゼルエンジン車は、麻油のほか菜種油、椿油など何でも走る。麻の実20kgから4リットルの油が搾れ、1リットル当たり1250円かかる。しかし、1瓶2000円するヘンプナッツシードバターが3瓶とれ、搾りかすが肥料になるなど、副産物で反対に収益が出る」などと説明。「1年草で育ちが早い。農家の人は食料だけでなく、燃料も生むし、雇用も生む」と話した。

↓麻の実(種)
画像の説明

北海道ヘンプネット世話人代表で農学博士の菊地治己さんは「麻はかつては繊維生産を目的に2万5000haも栽培されていたが、1948年の大麻取締法で壊滅した。栽培抑制国は日本とアメリカだけで、マリファナにならない農産物の大麻まで規制している」と現状を述べた。

↓上越の麻文化を説明する高野さん
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明治32年(1899年)創業の麻糸商「麻屋高野」を営んでいた高野恒男さんは「漁業に使う刺し網は100%麻で作った。化学繊維の網より魚が良く捕れ、魚が傷まない。麻はへその緒を切るときに使ったり、畳のへりにした。麻製の蚊帳(かや)は嫁入り道具の一つだった。この地域は昭和30年過ぎまで栽培しており、全国的にも最後まで作っていた地域」などと、当地の麻文化について話した。

↓麻油をジープに給油する中山さん
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最後にジープ型のヘンプカーに麻の油を入れ、エンジンを始動した。排ガスは石油系の臭気がなく、香ばしさが漂っていた。

【大麻取締法】
日本では古くから繊維をとる目的で麻(大麻または大麻草)を栽培しており、栽培・販売は自由に行われていた。古来から日本で栽培されてきたものは麻薬成分をほとんど含まない。第2次大戦後、GHQの命令で麻は栽培を含めて全面禁止された。繊維業者からの反対で3年後、種子や繊維目的に限って免許制とし、その他を禁止する大麻取締法が制定された。都道府県知事の免許を受けた大麻取扱者でなければ、大麻の所持、栽培、譲り受け、譲り渡し、または研究のため使用してはならない。

◇公式サイト
https://www.ooasa.jp/hemp_car/

[2013.8.15 上越タウンジャーナル]

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